特別支援教育について


特別支援教育とは,これまでの特殊教育の対象の障害だけでなく, その対象でなかったLD,ADHD高機能自閉症も含めて障害のある児童生徒に対してその一人一人の教育的ニーズを把握し,当該児童生徒の持てる力を高め,生活や学習上の困難を改善又は克服するために,適切な教育や指導を通じて必要な支援を行うものである。」


このように「特別支援教育」は児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握して適切な教育的支援を行うものです。
○ここで,単に教育とはせず,教育的支援としているのは,障害のある児童生徒については,教育機関が教育を行う際に,教育機関のみならず,福祉,医療,労働等の様々な関係機関との連携・協力が必要であるからです。


最終報告では特別支援教育を支える上での具体的な仕組みとして
① 多様なニーズに適切に対応するための「個別の教育支援計画」の策定
② 校内や関係機関を連絡調整するキーパーソンである「特別支援教育コーディネーター」の指名
③ 質の高い教育的支援を支えるネットワークである「広域特別支援連携協議会」等の設置
の3つをあげています。

「小中学校におけるLD(学習障害),ADHD(注意欠陥/多動性障害),高機能自閉症の児童生徒への教育支援体制の整備のためのガイドライン(試案)」平成16年1月 文部科学省 より


一見表題だけ読んでいると、とてもありがたい感極まるすばらしい制度に見えます。


しかし、その裏側を覗いてみると、実際の現場と制度自体の温度差、地域差、学校差がかなりあるようです。
このように、児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握して適切な教育的支援を行うとすれば、まず必要なのは教員である事は確かな事です。


制度が実施されるのは、2006年春からと聞いておりますが、各地域ではまず増えている発達障害者の数と比例して教員の数をふやす事も出来ず、従来の担任がコーディネーターを兼ねると言う事もあり得るらしく、そうなれば、実際に必要な手や目は今まで通りにないわけです。


どの程度の支援をしていくのか、実際の体制作りという点ではあいまいな部分が多く、学校に任されている部分が多いのが現実です。
結果、学校側との話し合いにより改善される事もある、と言う事からも、子供が通う学校でどのくらい体制が整っているのか、足りないものは何なのか、と言う事をまずは把握し、必要とあればどんどん要望を出していくしかないのが現状かもしれません。


<平成22年6月追記>


先日、当サイト管理人のノンママが当市の市長とお会いする機会がありました。
その際に特別支援教育のお話などをして来たようでしたが、やはり現実としてはまず発達障害児らの親が望むような体制を設ける「予算がない」と言うのが一言目だったようです。


制度と言う名のものだけは先に作っていながらも、現実がなかなか付いて行かないのは。。仕様でしょうか。。(苦笑)