様々な困難


話すことの難しさ

話を聞いて理解することが困難です。
「いつ・だれが・どこで・なにを・どうした」などの文脈構成上の基本的な要素が欠落し、人が聞いてわかりやすいように話をすることが困難です。
(事柄や順序を整理して話すことが苦手です。自分の経験を説明することが苦手です。)
聞きもらしが多く、会話も一方的で話題がとびやすいことがあります。

読むことの難しさ

文字や文章を正確に(意味をとらえて)読むことが困難なことがあります。
本を読んでいるときに、どこを読んでいるのかわからなくなる。
問題なく話せるのに、似た文字の弁別にとまどったり、行をとばして読んだり重複読みをしたりします。(勝手に語尾を読み替える)。

書くことの難しさ

字を読んで理解できるのに、書字能力が困難な場合があります。
ひらがな、カタカナ、漢字が、左右、上下が反転することがあります。(鏡文字)
漢字に誤字が多いこともあります。作文や日記など、考えて書くことが苦手です。
学童期には、板書が苦手で、自分で書いた内容が理解できません。

聞くことの難しさ

集団の中での指示が理解できません。(指示を忘れて何度も聞き返します。)
2つ以上の指示は困難です。
話を聞く時の「注意の集中」が持続しません。(話言葉中心の一斉授業の内容が聞き取れません)。
(因果関係など)複雑な会話は理解困難です。

計算や推論の難しさ

数の概念が身につかず、数系列の規則性などが困難です。
学童期では、足し算や引き算、くり上がりの計算などが苦手です。
→短期記憶の障害のため、くり上がった数を忘れるために起こります。
筆算の桁がずれる間違いも多いです。
文章問題も苦手です。
→問題を理解して論理的に解決する力が乏しいために起こります。
図形の特徴や概念がつかめない。(地図の見方が理解できない)
時計や単位が理解しにくい。
移動教室や、ロッカーの場所が、なかなか覚えられない。

運動動作の難しさ

はさみの使用やボタン、ひも結びなど、手先が不器用なため、細かい作業が苦手です。
手足の動きが不自然なことがあります。(バランスが悪く転びやすいこともあります)。
縄跳びのような前進の協応動作が困難です。
音楽の拍子をとるのが苦手です。

行動の自己調整の難しさ

学童期には、授業中に立ち歩く、ぼんやりする、私語が多く、話が聞けない...ことがあります。
順番を待つこともが苦手です。
気に入らないことがあると我慢できず、乱暴な行動をとることがあります。
一つの話題にこだわり、同じ質問、同じ話題を繰り返します。
表情が乏しく、人見知りしてその場の環境になかなかなじめません。

対人関係の難しさ

相手の思いや感情を考えて、行動することが困難です
人の嫌がることを言ったり、わがままを言ったりするため、自分勝手だと思われがちです。
状況判断が苦手です。
人と関わる時の基本的な挨拶や礼儀が身についていないことがあります。
(これは、場面理解困難のために起こります)