子供への説明(告知)
子供への説明(告知)
子供に障碍があることを告げると、ショックで落ち込むのではないかと心配する親は多いようです。
しかし、子供達は意外と早期より自分が他の子供と異なっていることに気が付いている場合が多く、私の周りのADHD児に限らず発達障害児を持つ親御さんのお話を聞いていると、早ければ小学生低学年で自分と周りとの違いに気付き、その答えを親に求めてくるケースが多いという事が分かります。
どうしてかっとなりやすいのか、どうして忘れ物が多いのか、どうしてじっとしていられないのかを、子供の理解出来る範囲で障害について説明し、そしてどのように対応していくかを教えていくことは、動機付けとしてとても役に立つことがあります。
そして、障害についての説明は一度だけではなく、理解できる程度に応じて、適切な時間間隔をおいて、繰り返し説明することも必要です。
我が家では、既に4歳の息子に対して、診断と同時に障害についての説明を始めました。
ただ、「障害」と言う言葉は使っておらず、これが正しいのが間違いなのかは未だ解りませんが、「病気」と言う言葉を使っています。
又、現在小学校4年生になった息子は、その病気がある種の発達障害である事をおのずと認識しており、これは個性の一つと言う事、ADHDと言うものなんだ!と言う事もおのずと認識しております。
個性の一つとして捉えられる、本人の苦手な部分。
これをしっかりと認識しながら、親子でその対応を考える事、これは本当に大事な事です。
ADHDの障害について息子へのへの最初の説明は・・・・
あなたの頭には病気があるの(おでこの前頭葉の部分を指差しして)。
あなたの頭は、
「よーく考えたり」
「お友達と仲良く出来たり」
「きちんと座っていたり」
「周りをきちんと見たり」
「ママやパパや先生の言う事をきちんと聞く事」
が、出来にくい病気なの。
だから、よくパパやママがおでこを指差して「よーく考えてごらん?」って言うでしょう?
幼稚園に行ってる時も、お友達と喧嘩したり、お友達がきちんとお椅子に座っている時に、あなただけおもちゃで遊んでいたりしてたでしょ?
それが病気と言う事なの。
でもね、あなたがパパやママと一緒に頑張って治そう!と言う気持ちがあれば、治るんだよ。
一緒に頑張ろうね
と、言う風に説明してます。
もちろん、完璧に治る可能性のある病気とは違う障害と言うものなので、きちんとした説明も今後必要になってくるだろうと当時は思っていましたが、今となってはそれも必要なくなりました。
問題なのは大事なのは、診断名ではなく、何が苦手で何に対して頑張らなくてはならないのか、と言う事。
そう言う苦手な事や頑張らなくてはならない事は誰にもあって、それは特別な事ではない事。
たまたまADHDと言う名前が付いてしまっているけれど、その特徴の多くは同じ年頃の子供の多くが持っているものだったりもするのです。
ただ、少しだけそれが激しかったり、出来にくかったり、コントロールしにくかったりするだけ。
なので自分が出来ない事、出来にくい事を本人にも自覚させ、それをどうやったら出来るのか、どうやったらうまく行くのかと言う事について一緒に努力する姿勢と言うものが大事になってくると思っております。
それがある意味の告知だと私は思っています。
幼稚園の頃は、親の言う事をまっすぐに受け止めてくれ、たとえば口で言っても良く解らない事でも、人差し指をおでこに指すだけで、「あ〜そうだった・・・」とすぐに思い出して自分でコントロールしようとする姿勢は見えてました。
まだまだそう言うセルフコントロールが完全に出来るようになったわけではなく、まだまだ課題もある4年生の息子ですが、長い道のり順調に来ているように思います。
今の本人の課題は、セルフコントロールだと自分で言います。
自分で自分をコントロールしようとする姿勢。
ADHDにとっては無くてはならないものです。
診断と同時に本人に行った告知でしたが、我が家としては正解の道を進んでおります。
ただ、告知につきましては、医師によっても賛否両論あるようです。
お子様の症状を良く理解されている医師に相談され、時期を判断される事が良いかと思います。
私がADHDなどの親の会などで聞きました限りですと、ADHDのみの症状を持ったお子さんに対しては、やはり早くからADHDと言う名前は出さずとも、症状についての告知は普通に行われており、それに対して親子一緒になって頑張っていると言う方が多数おられました。