タイプ別サプリメント療法

ここでは、ダニエル・エイメン医学博士の著書の中から、「サプリメント療法」と呼ばれる、サプリメントを使った治療についてご紹介します。


サプリメントの中には、本当に役立つものも多いです。
特に、自分や子供のADDがどのタイプかを正しく見極めて、タイプごとに対処法を絞れば、効果が得られる可能性は高くなります。


ただし、ここでの注意事項。
これらのサプリメントの中には、ADDのタイプを無視すると、逆効果になるものもある事を知っておきましょう。
原料が天然だからといって、無害だと言う事にはならない。


また、既に病院から薬を処方されている場合は、サプリメントを試してみる前に、必ず主治医に相談する事、サプリメントの中には、医薬品との間に何らかの相互作用がみられるものもあるので、注意が必要です。



タイプ1とタイプ2


この2タイプは、ドーパミンという神経伝達物質の不足がかかわっていると考えられている。
このタイプに処方されているのが、「L-チロシン

L-チロシンとは、ドーパミンの材料になるアミノ酸で、脳の中でフェニルエチルアミン(PEA)と言う物質の濃度を高める事が分かっている、
PEAと言うのは、チョコレートにも高濃度に含まれている物質で、軽い中枢神経刺激効果がある。

病院で処方される中枢神経刺激剤よりも効果は軽く、穏やかである。
空腹時の法が効果的に吸収されるので、食事の30分前か、食後1時間以上あとがいいだろう。

やや体重が減る事があるのをのぞけば、今のところ副作用のあった例をみたことはない。


タイプ1とタイプ2のADDには、ブドウ種子エキスやピクノジェノール(フランス産の松の樹皮のエキス)も、時として軽い効果があることが示されている。

ブドウ種子エキスにもピクノジェノールにも、プロアントシアニジン化合物が含まれている。
プロアントシアニジン化合物は決行を促進する事、強力な抗酸化作用がある(ビタミンEの20倍から50倍)事が分かっている。

この両者のADDへの効果についてはまとまった研究結果はまだ出版されていないが、症例報告はかなりの数が印刷物となっている。


タイプ3


このタイプはどうやら、セロトニンドーパミン両方の相対的欠乏によるものらしい。

経験では、セントジョンズワートとL-チロシンの組み合わせがうまく聞く場合が多い。


セントジョンズワートというのは、西洋オトギリソウと言う植物の花から得られる栄養補助食品である。
作用は、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)と似ていて、脳内で利用可能なセロトニンの料を高める事によって作用するらしい。


セントジョンズワートを処方する場合は、最初は子供で1日300mg10代の子供で300mgを1日2回、成人で朝600mg、夜300mgからはじめて様子を見ながら少しずつ増量していく。
成人の場合、最高で1日1,800mgまで増やす事もある。


また、セロトニンのレベルを高める方法は、セントジョンズワートだけではない。
L−トリプトファンセロトニンを作る材料となるアミノ酸)や5−HTP(やはりセロトニンの材料)を摂る方法もある。

L−トリプトファンは、せっかく飲んでもも飲んだうちの3%しか脳には届かない。
その点、5−HTPは70%が脳に取り込まれる。
L−トリプトファンは就寝前に1,000mg〜3,000mgまで飲むようすすめている。
又、5−HTPは、成人で1日50mg〜300mg、小児はその半分から始める。


トリプトファンも5-HTPも吸収の効率を高めるためには空腹時に飲む。
5-HTPの副作用として最も多いのは胃のむかつきだがmたいていは非常に軽い。
問題になるようであれば、最初は少量からはじめ、少しずつ増量するようにすればよい。
トリプトファンは副作用はない。

医師から抗うつ剤を処方されている人は、セントジョンズワートも、トリプトファンも、5-HTPも、主治医に無断で併用しないこと。


タイプ4


このタイプでは、側頭葉の活動を安定させて機能を高めることが欠かせない。
タイプ4に使われ、硬貨をあげている処方役の作用機序はまだはっきりとはわかっていないが、利用可能なガンマアミノ酪酸GABAの量を高めることで、効いているのではないかと考えている。


GABAも大切な神経伝達物質の一種で、体内ではグルタミン酸から合成され、神経細胞の活動をしずめ、過剰な発火や不安定な発火を抑える働きをする。
GABAサプリメントとしてそのままの形で取ることが出来る。
GABAサプリメントは抗痙攣剤に似た働きをするだけでなく、抗不安作用もある。
GABAの要領は個人差が大きく、大人で一日100mgから500mg。
子供はその半量になる。



タイプ5


このタイプ5、辺縁系型ADDの症状には、軽度のうつと共通のものが多い。
マイナス思考、気分の落ち込み、絶望感、さらに何かあるとすぐ自動的悲観思考法のスイッチが入る。
このタイプに向いているのではないかと思われるサプリメントには、DL−フェニルアラニン、L−チロシン、それにS−アデノシルメチオニンの三つがある。


DL−フェニルアラニンアミノ酸の一種で、ノルエピネフリンの前駆物質である。
ADDの人やうつ病の人(両方を重複している人も含む)では、ノルエピネフリンエピネフリン(アドレナリン)の量が少ないことを示す研究結果はたくさんある。
病院から処方される抗うつ剤に比べたら、効き目はゆるやかだが、副作用は明らかに少ない。
用量・用法は、一回につき400mgを一日3回(子供はこの半量)、空腹時に飲むと言うもの。

また、もう一つ、S−アデノシルメチオニン
S−アデノシルメチオニンは、脳の中で使われるさまざまな物質を合成する過程で必要になる。
これは、天然の抗うつ剤としては裁量の部類に属し、最近ではその効果は病院で処方される、抗うつ剤にも匹敵すると言う研究結果がいくつも提出されている。


しかし、双極性障害・タイプ6(火の輪型ADD)の人は、S−アデノルメチオニンを飲んではならない。
これの用量・用法は、一回につき200mg以上400mg以下を一日2回から4回、子供ではその半量。


タイプ6


このタイプ6は、極度の他動と注意散漫、極度の衝動性、周囲への刺激への過敏さ、追い立てられるような早口、周期的な気分の変動などがその特徴である。
そんなタイプ6ADDには、GABA、魚油などで効果がみられる例が多い。
GABAには神経細胞を静める働きがある。

オメガ3脂肪酸の豊富な魚油を補うのも役に立つ。
オメガ3脂肪酸の欠乏はADDともうつ病とも関連がある。
神経細胞の細胞膜は脂肪酸でできているからかもしれない。
オメガ3脂肪酸が少ないと、神経細胞の細胞膜が柔軟性を失う。
それで神経細胞の発火が鈍ったり、間違ったタイミングで発火したりするのかもしれない。



全タイプ共通


タイプを問わず、一日一錠は、ビタミンとミネラルサプリメントを飲もう。
出来れば一日の必要量を一錠でカバーしてくれるものがいいだろう。


現代の食事では、一日の必要な栄養素を食事で摂るのは困難です。
YUUの掛かり付けの医師からも言われたように、サプリメントを摂ることは大いに推奨されています。
それが特にビタミンやミネラルならば。


いかがでしょうか。
サプリメントは、今では簡単に手に入るものになってますが、使い方を間違えると症状が悪化したりする恐れもあります。


サプリメントを使用する際には、より注意深く見守る必要がありますね。


ADHD life.net本館に戻る